本日の一品

良さげな電源テーブルタップを買って使ってみると……

一見して良さげに見えたのでSlycoolという名前のテーブルタップをポチってみた

 いつまでたっても完全には収束しないコロナ禍の昨今、原稿書き用のミニデスクトップパソコンと大型曲面ディスプレイを設置している自室だけではなく、時には気分転換でダイニングテーブル周りで資料作りやSNSをする機会も増えてきた。

 最初の内は、内蔵バッテリーだけで動作するThinkPad X1 nanoだけを自室から持ち出してきて作業を終えるとまた元の自室に戻していた。しかしその内、ダイニングでもマルチディスプレイ環境になり、他のChromebookを使いだすなど徐々にACアダプタの数が増加した。

 当初は、ラジオ体操ムービー再生専用の初代iPadと留守番のワンコ監視とテラス側の監視用に設置しているP2Pカメラの電源だけを取っていたダイニング壁面コンセントだが、使うACアダプタも徐々に増え出して、床上を這うケーブルも限界。そろそろ整理整頓が絶対条件のような有様に追い詰められてしまった。

もはや限界に来ていたダイニングテーブル横の壁面コンセント周りの惨状

 困った時のAmazon頼み、ヨドバシヘルプを試みた結果、あまり先のことも考えることなくコンセントの数とUSBポートの数の多い「Slycool」(スライクール)という中国深セン製の少し大型のテーブルタップを手に入れた。外観サイズは約25cm×8.5cm×3.5cm、重さは560gだった。

ACプラグが6個、USBポート(Type-A)が8個使えるけっこう理想形
総USB出力は10A、ACソケット出力は13Aで1625Wと問題なしに思える
USBポートが8個あるテーブルタップは意外に少ない

 ACコンセントの数は6個(13A:最大1625W)、USBポートの数は5V1Aが4個、5V2.4Aが4個のトータル8ポート(最大10A)。6個のコンセントは隣同士のACアダプタが相互干渉しないように適度な距離をおいて配置されている……というのが売り文句だった。

 ところが、実際に筆者が使っているPD系のUSB ACアダプタを繋いでみると、ダイソー等の安価なテーブルタップと同じように隣あったACアダプタの相互干渉があり、隣あって45WクラスのPD USB ACアダプターは挿入不可能だった。やむなく、一個飛ばしで6個のACコンセントに4個の多少サイズの異なるUSB ACアダプターを挿入した。

一般的なテーブルタップではこんな感じ。入りそうで実は無理
SlycoolでもACアダプタ系は1個とばしで無いと難しそう

 コンセント間の距離は大きく変わらなくても、昨今のUSB ACアダプタのサイズは持ち歩けて邪魔にならないサイズ感が重要なのでコンパクトで2ポート化されつつある。なので6個のACコンセントの内の4個が使えれば実質的に使えるUSBポートの数では差が無くなってきているのも面白い。

 その後しばらくして、小さな20Wクラスの2ポートUSB PD ACアダプタが発売されたので速攻で3個を大人買い。この程度のサイズまでコンパクトになると、Slycoolの様にある程度ACコンセント間の距離をとった製品なら3個連続して挿入配置が可能だった。

新しく発売されたCIO社の20WPDを3個買ってみた
さすがにコンセント間距離が29㎜あってなんとか3つ仲良く並んで使えた

 残念ながらダイソーのテーブルタップや、レトロなインテリア系のテーブルタップにはまだまだこの程度のコンパクト化では隣り合わせに並べて挿入することは全く不可能だった。ダイソーが狙う次期新商品かも……。

やっぱりダイソーで買ったテーブルタップでは並んでは使えない
昭和レトロなキューブ型テーブルタップでも当然無理

 USB PD ACアダプタのコンパクト化は大きな進化だが、筆者のThinkPad X1 nano等のモバイルパソコンに電源供給できる45Wや65WクラスのUSB PD ACアダプタはサイズ的にまだ少し大きく、Slycoolの6個あるかのいずれかのACコンセントに挿入すると確実に隣のACコンセントのスペースを邪魔してしまう。やむを得ずしばらくは、モバイル用の電源は別に確保していた。

実際の使用環境はこんな感じ

 そんな状態から3カ月、USB PD ACアダプタではメジャーなCIO社から、現在愛用しているANKERの30W PD USB ACアダプタよりスリムで軽くて2ポートある45WのPD USB ACアダプタが発売になったのでまたもや速攻で手に入れた。

小さく軽くなったUSB PD 45W ACアダプタ。右はANKERの30W

 現在は、このCIO社の45WのPD USB ACアダプタをSlycoolの1個のコンセントに挿入してThinkPad X1 nano用のACアダプタとして利用している。出張などで出かける時はThinkPad X1 nanoと一緒にCIO社の45WのPD USB ACアダプタも一緒に引き抜いて持ち出している。2ポート(20Wx2)あるので出先でも利用度は高い。

 半年以上前に購入してコンセント間の間隔の問題でそろそろ買い替えようと思っていたSlycool電源テーブルタップだが、後継機種購入の時のために自宅に在る幾つかのテーブルタップのコンセント間の中心距離をデジタルノギスで測ってみた。

家にあった4つのテーブルタップのコンセント間の距離を測ってみた

 ダイソーなどのごく一般的、安価な家電用テーブルタップでのコンセントの中央から隣のコンセントの中央部までの距離を測ってみたところ実測23㎜、今回のSlycoolが29㎜、最近手に入れたSmartテーブルタップが36㎜だった。時代を反映してテーブルタップも進化しているようだ。

 そしてたった半年の期間にACコンセントに挿して利用するUSB PD ACアダプタのサイズもどんどんコンパクトになりポート数は増加し、以前は不可能だったことが面積は同じでも自然とできるようになってきた。

原稿執筆時点のSlycoolの状況はこんな感じだ

 どうもテーブルタップ業界は日常のACアダプタの増加とそのサイズ感を見て商品企画を行い、ACアダプタの業界はUSB PD ACアダプタを含めて電源テーブルタップの現状と携帯性能の向上を見て対応を検討していたようだ。いずれにせよ両者ともユーザにとっては良い方向に進化している。

 結果的にある程度コンセント間の間隔の広いSlycoolは買い替えの必要はなかったようだ。Slycoolは半年~1年かけてゆっくりとコンパクト化と多ポート化を成し遂げたPD USB ACアダプタと相性バッチリの最新の電源テーブルタップに自然に格上げになった感じだ。

商品名価格購入場所
Slycool USB電源タップ コンセントAmazon2999円