スタパ齋藤の「スタパトロニクスMobile」

いにしえのメモリーカードが発掘された件

ここ10年は書き込んでいない、懐かしのメモリーカードたち

 仕事部屋の片付けをしていたら、↑こーゆーのが出てきたんスよ。古いメモリーカード各種。4MBのコンパクトフラッシュ(CF)なんてのもある!!! すごいなー4MB。4GBじゃないゾ、4MBだゾ。MBはメガバイトって読むンだ!

 こういう古いメモリーカードを保管していた理由は、10~20年くらい保存しておいたら希少価値が出るのかな? ということがひとつ。

 もうひとつは、たま~に必要になるから。ホントに、たま~に、なんスけどね。たとえば古い電子楽器にサウンドファイルを読み込むときとか、使えるメモリーカードはコンパクトフラッシュ限定で、しかもカード容量上限は2GB、みたいな。あるいは電子工作向けのSDカードスロットがあったりして、でもそれで読めるSDカード上限は2GBとか。

 いや現在でも売ってるんスけどね、小容量メモリーカード。いやでも一瞬的な用途のために今改めて2GBのメモリーカード買うって……なんか反サスティナブルって感じ? モヤモヤ感満載な感じ? ともかく、そういう必要性がたま~に出てくるので、古いメモリーカードを保管していたりもするのだ。

 ちなみに、記録によれば過去13年間で古いメモリーカードが必要になった回数は2回。1GB容量のコンパクトフラッシュと、1GB容量のSDメモリーカードであった。確か11年くらい前。つまりはもう10年以上古いメモリーカードが必要ないまま現在を迎えているので、そろそろこういうメモリーカードの処分を考えねば。

 さておき、以下に、いにしえな感じの各種メモリーカードを少々ご紹介。市場でも見かけないカードもあるが、「ふーん」って感じでご覧あれ。

こちらはコンパクトフラッシュ(CF)。1990年代後半から2010年代前半あたりまでかなり普及したメモリーカードだ。デジカメと言えばCF、みたいなメモリーカードの代表格だった。現在でもデジタル一眼レフカメラなどで使われていたりする。
コンパクトフラッシュとSDメモリーカードを並べた様子。コンパクトフラッシュは最大で512GB容量が存在するそうだが、サイズ的にも容量的にも、やっぱりフツーにSD(SDHC/SDXC)を選ぶことが多い現在である。
これはマイクロドライブ。コンパクトフラッシュサイズのHDDである。コンパクトフラッシュカードスロットに挿して使えるHDDだが、右のようなアダプターを使えばPCカードスロットに挿して使うこともできた。……えーナニPCカードスロットってなんのこと?? って感じですな。
これはスマートメディア。おもにデジタルカメラ用のメモリーカードで、1995年から市販された。1990年代後半にデジカメを使っていた人は、けっこー多用したはず。
スマートメディアとSDメモリーカードを並べた様子。スマートメディアは厚さ0.76mmと極薄で、重さは2g。最大容量は128 MBだった。
1998年9月に発売されたソニーのメモリースティック。ソニー製デジカメのほか、ソニー製ミュージックプレイヤーやソニー製ロボットAIBOにも当然採用されていた。
左から、メモリースティック、それを小型化したメモリースティックDuo、メモリースティックを大容量化したメモリースティックPRO、小型化と大容量化を同時に実現したメモリースティックPRO Duo、それを小型化したメモリースティックマイクロ(M2)など、ミョーにバリエーションが多いのであった。右端はSDメモリーカード。
ご存じSDメモリーカード(SDHCメモリーカード・SDXCメモリーカード含む)。1999年8月25日に発表され、ほかのメモリーカードを次々ブッ●して現在主流となったメモリーカードだ。
左から、microSDカード(トランスフラッシュ/TF)、miniSDカード、SDメモリーカード。
これはxDピクチャーカード。2002年9月発売時で、富士フイルムやオリンパスのデジタルカメラに使えた。2GB品までが発売された。SDメモリーカードと並べると……なーんかミョーに心が痛い。

すこ~し残してほかを処分、その前にメモリーカードの内容をチェック

 このけっこう大量の古いメモリーカード、もう10年以上は役立っていないので、処分しようと考えた。なお、もっと小容量のメモリーカードもたくさん持っていたのだが、それらは仕事でファイルを渡すときなどに「原稿と写真このカードに入れてあります」とか言って渡しつつ「あっカード返却不要っす!」とか言って譲渡のカタチを装って処分したのであった。

 だから今回も「データはこのカードに入れておきました」みたいなテを使って友人知人仕事相手にあげちゃおうとか思ったのだが、現在のファイルの受け渡しはフツーにクラウド経由である。それ以前に、SDカード以外を渡されても「いや……あの……読めないっす」ということになるであろー。

 さておき、処分前に、これら古いメモリーカードのなかにファイルが残っていないか? あるいは消されたファイルを復元したら「じつは重要なファイルだった」的なことがないか、これをチェックしたいと考えた。

 メモリーカードを読みつつ、同時にファイルを復元するわけですな。で、そこで使ったのはwondershareの「Recoverit」というアプリだ。

wondershareの「Recoverit」というアプリ(Mac版)。無料で使用可能だが、その場合は復元データ容量が100MBまでという制限がある。有料版は無制限。 HDDや各種メモリーカードに対応し、写真/ビデオ/オーディオ/メール/ドキュメントなど、各種タイプのファイルを復元可能。

 このアプリを使い、どんどんファイルを復元。古いメモリーカードなので読み出しもあまり速くなく、メモリーカードの枚数が多いのでそれなりに時間がかかる。でもまあ、ほかのことをしながらアプリに復元作業を行わせるだけなので、さほど手間って感じではない。

復元したファイルを保管するフォルダなどを指定したら、あとはメディア(メモリーカードなど)を選んで「スキャンする」をクリックする程度。意外にたくさんの写真やビデオが復元された。
復元された写真の一部。けっこうガッツリと復元された。ただ、なかには表示不可能だったりする壊れたファイルもあった。「あっ写真だな」と思ったら大量の小さなサムネイルであることも多かった。

 予想以上に多くのファイルが復元されてビックリ。でも半分くらいは開くに値しないファイルであった。

 たとえば以前の俺の場合、メモリーカードを使わなくなって保管するときは、メモリーカードがいっぱいになるまで写真を撮ったり動画を撮影したりした後にフォーマットなどしていた。無意味な画像により、それ以前に記録されていた(復元可能な)ファイルを上書きし、古いファイルの復元を難しくしてから、メモリーカードを初期化していた。

 そういう無意味なファイルが復元されたパターンが半分くらい。「いらない画像がたくさん出てきた」という感じであった。

 もう半分くらいは、意味のある画像が復元された。のだが、すでに保存済みのものが多く、復元・サルベージする必要がないファイルが多かった。

 でも、少々は「あーこの画像、一応保管しておこう」というものが出てきた。AIBOが自動的に撮った写真のうち初めて見るようなものがあったり、PDAで撮ったらしき昔の写真があったり。ちょっとおもしく画像の保管もできたので「メモリーカードのチェックと復元をしてよかったかも」と思えた。

カードリーダーは確保したほうがいいのかも?

 メモリーカードからのデータ復元は、前出のようなアプリを使えばフツーに行える。復元アプリはHDD用などとしても存在するので、まあ古いメモリーカードからのファイル復元などは「いつでも行える」って感じだ。

 ただ、メモリーカードリーダーは、場合によっては確保しておく必要があるかもしれない。俺の場合、この作業を行う直前に「あれ? メモリーカードリーダーあったハズだけど、見つからない」という状況になった。そこで改めて複数メモリーカードに対応する市販メモリーカードリーダーを探したが、意外なほど品数が少なかった。

 購入したのはサンワサプライの「ADR-ML18BKN」。だがこれは既に廃番になっているようで、Amazonで俺が買ったら品切れになってしまったもよう。

サンワサプライのマルチカードリーダー「ADR-ML18BKN」をAmazonで購入したら、ナンと品切れになってしまった。

 また、ちょっとヤな余談があり、このカードリーダーを使っている途中で、スマートメディアスロットを壊してしまった。カードがうまく入らないので余計な力を込めたら、接点を壊しちゃったもよう。

 えーっマジ?、やらかした?! でも、ほかのタイプのマルチカードリーダーは在庫があるから、買い直そうか? ……と思っていたら、行方不明の古いメモリーカードリーダーが出てきた。ので、それでファイル復元作業を続けた。

所有していたものの見つからなかったカードリーダーが出てきた。xDカード時代の製品のようだ。
さらにイロイロなカードリーダーが発掘された。メモリーカードの内容を読むためのインターフェースは、当然だがメモリーカードを“活かす”ために非常に重要な機材。

 いにしえのメモリーカードをたくさん死蔵していたりする方は、そのメモリーカードの内容を読み出せるリーダーも確保しておくと安心と言えよう。いざというときにメモリーカードリーダーがないと、「VHSテープはあるけどデッキがない~」みたいな困り状態になるのであった。

メモリーカードは陳腐化しつつも、高値で売られているケースも

 手元にザラッと広げた、いにしえのメモリーカード各種。どれも当時はけっこーなお値段で買ったような気がする。アーリーアダプター税? 登場したばかりの(当時としては)大容量のメモリーカードを速攻で買うので、いつも「高いけど容量欲しいし」と買ってきた記憶がある。

 また現在になって「もう全然使えない容量」となったメモリーカード各種を見て、「ところで現在、こういうカード類って売られてんの?」と気になり、検索してみたらちょっとびっくり。中古でフツーに売られているし、カード種類によっては「マジか!」的な高値だったりもする。

 たとえばAmazonで検索してみたりすると興味深い。それなりの需要がありつつ、それなりのお値段が付いていたりする。超高い感じの出品もあり、買い手があるのか不明だが、そういう値付けをするってことは、稀にそのカードを超物凄く必要とする人がいるのかもしれない。

 じゃあ残しておこうかな? これらたくさんの古いメモリーカード。そのうち売るってことで……。

 いや~でもそういうのやらなさそ~>俺。面倒臭くなってペンチでベキッって折って廃棄しそう~>俺。確かに。

 じゃあポリ袋にザラザラーって入れて保管? いや~でも、そういう保管品がたくさんあって、塵も積もれば山で、いにしえの不用品がけっこう場所取ってたりするなあ。

 ちょっと見ると……うわ~CD-RにDVD-Rに、あらファミコンカセットに……こっちはアタリLYNX用ゲームカードに……そしてお約束的にLYNX本体は死んでおり。あら~こっちには古いケーブルが……DVIケーブルとかD-Subケーブルとかもう何年触ってないんだろう。そう言えば先日うっかり発掘してしまった「7年とか前に予備として買っておいたHDD」もあるのだ。これ分解して廃棄したいなぁ……。

 メモリーカードは、まあ体積が小さめだからいいが、時代とともに役割を終えた機材資材はホントに「死蔵」状態。年数が進むと、誰もが不要とする機材資材となりがちでもあり、買い手や引き取り手もなくなっていく。

 なんかモヤモヤしつつ、とりあえず広げちゃったメモリーカードを片付ける俺なのであった。「このモヤモヤは近未来の俺に任せた!」とか無責任に考えつつ。

スタパ齋藤

1964年8月28日デビュー。中学生時代にマイコン野郎と化し、高校時代にコンピュータ野郎と化し、大学時代にコンピュータゲーム野郎となって道を誤る。特技は太股の肉離れや乱文乱筆や電池の液漏れと20時間以上の連続睡眠の自称衝動買い技術者。収入のほとんどをカッコよいしサイバーだしナイスだしジョリーグッドなデバイスにつぎ込みつつライター稼業に勤しむ。