arrowsは社会課題の解決などを担うブランドへ 第1弾製品「arrows N F-51C」がドコモから(1/2 ページ)

» 2022年10月06日 11時30分 公開
[金子麟太郎ITmedia]

 REINOWAホールディングス傘下のFCNTは10月6日、スマートフォン、携帯電話ブランドである「arrows」のリブランドを発表した。

FCNT arrows リブランド リブランド後のarrows製品サイト

 当初のブランド名は全て大文字だった。ブランド名についてはFCNT(旧富士通コネクティッドテクノロジーズ)がもともと富士通グループであったことに加え、スマートフォン黎明(れいめい)期に東京証券取引所が富士通の技術を活用した株式売買システム「arrowhead(アローヘッド)」を採用していたことから、ARROWSに決まった。

 大文字のARROWSには「携帯電話市場をリードする」「スピード感」「とがった特徴や先進性を兼ね備える」などといった意味が込められ、矢で敵(強豪他社)をいぬくという野望の表れとして、丸みのある小文字のaではなく、矢のように先端が尖った大文字のAから始まっている。

FCNT arrows リブランド 当初のロゴは全て大文字だった

 2015年には「親しみやすさ」や「柔軟性」を利用者に感じてもらえるようにと、全て小文字になった「arrows」ブランドにリニューアル。ブランドのキャッチフレーズとして「人を想えば、進化は止まらない」を掲げていた。

FCNT arrows リブランド 2015年には全て小文字になった

 そして今回のリブランド後は同じ小文字でありながら、一文字ごとのスペースが詰まり、よりスッキリとした印象を与えるフォントになった。具体的に何のフォントが使われているのかは開示されていない。

 今回のリブランドはここ最近になって決まったものではないそうだ。プロダクト&サービス企画統括部 プリンシパルプロフェッショナル(プロダクト) 荒井厚介氏いわくarrowsブランドがどうあるべきか、2年近く考え続けてきたという。リブランド後の再定義としてFCNTは次の5点を挙げている。

  1. 時代の変化をいち早く捉え、新しい日常を提供すること
  2. 常に生活者の視点に立ち、日常に隠れた課題を解決すること
  3. 環境への負担を抑えながら、長い愛着に応える製品を追求すること
  4. 世代や性別を問わず、新たな感動や体験を提供すること
  5. デザインでも業界をリードする存在を目指すこと

 なぜこのタイミングでのリブランドなのか? 荒井氏は次の3点を挙げる。1つ目はコロナが長期化し、新しい生活様式が浸透し、シニアを含めてデジタル化も進んだこと。2つ目はSDGsやサステナビリティというワードも生活の中に浸透しつつあり、世界的な生活の変化が激しさを増していること。3つ目はこれまでFCNTが抱えていた課題だ。

 FCNTはキャリアに商品を納入してきたメーカーだが、売り切りではブランド浸透力は高まらないのだという。長期に渡りarrowsを使い続けてもらい、ユーザーとの接点も重要視(切り離すことのないように工夫)しながら、ロイヤリティーやブランドそのものの価値を高めたい考えを荒井氏は示す。

 「生活をする方々に寄り添いながら、デジタルライフをサポートし、信頼されるブランドを目指している」(荒井氏)

FCNT arrows リブランド プロダクト&サービス企画統括部 プリンシパルプロフェッショナル(プロダクト) 荒井厚介氏

 リブランド後のarrowsはこれまでの「ユーザーに寄り添う」という思想に加え、サステナビリティなど昨今の社会課題解決への志の表れでもある。さらにこれまで不足していたエモーショナル(感情的なさま、情緒的なさま)な点を含め、社会的な課題解決へ向けたブランドへとシフトしていくという考えも、リブランドの意図に込められている。

 頭文字のaは「先端部分のAdvanceをイメージ」したことから、一部が書道筆の穂先のように尖っている。円を描く部分は循環型社会、サステナブルなものづくり、生活者とつながり続ける未来を表現。垂直に伸びるラインは人の立ち姿、Human centricをイメージしたもので、「人を想う力」「心地よさ」を表している。

 まさにこのaこそが「FCNTが今後、さらに成長させたいarrows」を、たった1文字で表現していると筆者は考える。

FCNT arrows リブランド 頭文字の「a」には意味がある
FCNT arrows リブランド リブランド後のロゴ
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