タイガー魔法瓶は1月25日、サイフォン式コーヒー抽出を自動化し、見た目と味わいを楽しめるコーヒーメーカー「Siphonysta」(サイフォニスタ、型番:ADS-A020)を発表した。2月21日に発売し、価格はオープン。店頭予想価格は66,000円前後。

  • タイガー魔法瓶の高級コーヒーメーカー市場初参入プロダクトとなる「Siphonysta」

サイフォン式コーヒーは、フラスコ内の水を沸とうさせ、気圧変化によりコーヒーを抽出するコーヒー抽出方法の1つ。サイフォン式は用意する道具や作業工程が多く、抽出の仕方も難しいなどの理由で自宅では淹れにくく、主にカフェや喫茶店で利用されてきたという。

タイガー魔法瓶では、コロナ禍において自宅でも付加価値の高い商品ニーズが高まっているとして、同社が培った熱制御技術を活用し、サイフォン式コーヒーの抽出を自動化したSiphonystaを開発した。

  • Siphonysta本体

Siphonystaの特徴は大きく3つある。1つはスチーム技術と熱制御技術を融合した「自動サイフォン式コーヒー抽出システム」、もう1つはコーヒー豆の風味を引き出す2段階温度抽出法「Dual Temp Brewing Method」の搭載、そして同じ豆で淹れても9通りの味を楽しめる「調整メニュー」だ。

「自動サイフォン式コーヒー抽出システム」では、急速にコーヒー粉全体を蒸らすスチームを発生させ、ドリップ式ではない浸漬式を実現。シリンダーの上下に圧力差を発生させ、コーヒーを減圧ろ過して抽出する方式を採用した。電気ケトルで採用しているプリントヒーター技術により、狙った温度へ素早く立ち上がる熱コントロールヒーターも実装している。

  • 蒸気圧を利用して淹れるサイフォン式を自動化。熱コントロールは同社の電気ケトルで培った技術が活かされている

2段階温度抽出法は、抽出過程で温度を切り替えるSiphonystaの抽出モード。雑味を押さえ、コーヒー豆の風味を楽しめるという。

また、調整メニューでは、風味3段階・濃さ3段階の計9通りの抽出が可能。風味と濃さを選択するだけで、Siphonystaが自動で抽出過程の温度や時間、かくはん方法を調整し、好みに合ったコーヒーを提供する。

  • Siphonystaのメニューパネル

  • スタートボタン横にDual Tempキーを搭載

  • Dual Temp Brewing Methodの温度制御。まずスチームでコーヒー粉を蒸らし、温度を変えて注湯、かくはんしていく

  • 風味3段階・濃さ3段階を組み合わせられる調整メニュー

本体はシリンダーを目立たせたデザイン。上部シリンダーの空気を抜くことで、上下シリンダーに圧力差を発生させ、コーヒーのろ過と抽出を行う。シリンダーは透明で、抽出されたコーヒーが吹き上がる過程を演出し、シリンダーとパイプの距離は噴きあがるコーヒーが最も美しく見える距離に調整したという。

シリンダーは一部部品を除き、食器洗い乾燥機に対応。また、出来上がったコーヒーは自分でカップに注ぎ入れる仕組みのため、自分で淹れる楽しさもあるとする。1度に抽出できるコーヒーは約1~2杯。

本体サイズはW31.3×D23.9×H36.6mm、重さは約5.0kg。消費電力は1225W、最大使用水量は0.29L。カラーはオニキスブラック。

  • シリンダーは食器洗い乾燥機に対応。対応パーツはふた、上シリンダー、揚水パイプ、下シリンダー

  • コーヒーをカップに注ぐのは利用者側の作業。自分で淹れるひと手間を楽しさとして残した