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「Xperia 1 V」は先代「Xperia 1 IV」と何が違う?

「Xperia 1 V」(左)と「Xperia 1 IV」(右)のスペックをチェック

ソニーのAndroidスマートフォンフォンとして、フラッグシップモデルの「Xperia 1 V」が、NTTドコモ、au、ソフトバンクから発売された。7月14日にはキャリア版よりもメモリーやストレージが大容量となるSIMフリーモデル(19万4700円、ソニーストア)も登場する予定だ。

一方、約1年前に登場した先代モデル「Xperia 1 IV」は、一部で在庫が残りわずかと案内されてはいるものの、現在も携帯各社で提供されている。また、ソニーストアではSIMフリー版が14万9600円で販売されている。

本稿では、SIMフリー版のスペックシートを元に、両機種の性能差をご紹介する。

主なスペック

 早速、「Xperia 1 IV」と「Xperia 1 V」の主なスペックを比較する。

主なスペックを比較(SIMフリー版)
朱色で網掛けしている部分は、主な変更/進化点。なお、キャリア版では、メモリー/ストレージや対応バンド(キャリア版は5Gミリ波対応)などに違いがある

 主なスペックを見ると、本体のサイズが0.1mm厚くなっている点や、チップセット、メインカメラのセンサー変更、深度カメラの非搭載、対応バンド(5G/4G)の違いが見られる。

チップセットの進化

 チップセットが「Qualcomm Snapdragon 8 Gen 1」から「Qualcomm Snapdragon 8 Gen2」に変更されている。

 「Qualcomm Snapdragon 8 Gen2」では、AI処理の高速化や高度化が図られており、カメラでの撮影/録画機能にも活かされている。

 ゲーム機能や通信モデム性能も向上しており、Wi-Fi機能ではWi-Fi 7対応で最大5.8Gbpsの通信速度をサポートしているチップセットが「Xperia 1 V」に採用されている。

メインカメラのセンサー変更や深度測位のAI化

 「Xperia 1 V」では、新たな構造「2層トランジスタ画素積層型」を採用したイメージセンサーをメインカメラに搭載している。これに加え、センサーサイズを1/1.35"と、先代モデル(Xperia 1 IV)から約1.7倍に拡大することで、光の取り込み量の拡大と耐ノイズ性能の向上が図られている。

 また、ピクセルビニング技術を採用。センサーのピクセルサイズを大きくすることで、より多くの光を吸収することができる。これにより、暗所撮影時のノイズ軽減や高速かつ高精度なオートフォーカス(AF)を実現している。

 そして、「Xperia 1 IV」で搭載されていた深度カメラが、今回の「Xperia 1 V」では非搭載となった。AF性能をハードウェアで向上させようとする重要なカメラであったが、今回はこれをカメラの画像をAIで分析するといったソフトウェアでのアプローチで、高精度なAFを実現している。

 深度カメラによる深度測定では、暗所に強いが画の端にいる被写体や遠い被写体との測定を苦手としていた。今回のAI深度推定では、画の端や遠い被写体でも素早くピントを合わせられるという。

大きなカメラの配置は変わらないが、フラッシュの位置や、深度カメラの有無、表面の仕上げなどが異なる

内部機能や新機能など

 そのほか、スペックシートには現れていないが、カメラ機能の内部処理の最適化により撮影体験が向上しているほか、本体内蔵スピーカー性能の向上、ヒートマネジメント性能の向上などが図られており、全体的に正統進化が遂げられていると感じる。

 また、本体の大きさはほとんど変わらないが、表面のデザインが大きく変更されている。「Xperia 1 V」では、背面に細かな凹凸があり、指紋が目立ちにくく、写真撮影時などでグリップ力を感じられるデザインに仕上げられている。

「Xperia 1 V」では、背面に細かな凹凸がある
ボタンやポートの配置は大きく変更されていない。表面のデザインが大きく変わっており、撮影時にぶれにくいような改良がなされている

 6月1日からは、全国のソニーストアで実際に「Xperia 1 V」を手に取れたり撮影体験ができたりするイベントが開催されるため、購入を検討しているユーザーは、ぜひ訪れてみて性能を体験していただきたいと思う。