みんなのケータイ

Pixelの写真編集機能を使って20年前の写真を盛ってみた

【Google Pixel 7 Pro】

 Googleの開発者向けイベント「Google I/O 2023」では、「Pixel 7a」や「Pixel Fold」、「Pixel Tablet」といったデバイスのほか、今後「Google Pixel」シリーズなどで利用可能になる、さまざまなAIサービスについても発表されました。

 Google検索やGoogle Workspace の AI 機能、日本語に対応した対話型AIの「Google Bard」、東京も対象となっているGoogleマップのイマーシブビューなど、注目の発表が目白押しでした。

 中でも筆者がおお! と思ったもののひとつが、今年後半にも「Google Pixel」シリーズの一部機種で提供されるという、GoogleフォトのMagic Editorです。最近、「Adobe Photoshop」に生成AI機能が搭載されて大きな話題になっていますが、Googleフォトでも今以上にAIをフル活用した編集ができるようになるようです。

 今でもすでに、「Google Pixel」では写真から不要なものを消せる「消しゴムマジック」や、ピンボケ写真をパキッと補正してくれる「ボケ補正」など、AIを用いて撮影時の失敗をなかったことにできる機能が利用できます。

 Magic Editorでは、これらがさらの拡張されるようなイメージ。これまでの写真ではトリミングして周囲を切り取ることはできても、撮影していない周囲を描き足すことはできなかったわけですが、Magic Editorでは生成AIなどを活用して、写真に写っていない背景を書き足したり、被写体の配置を変更したり、あるいは背景の天気を変更する……といったことが、スマホで簡単にできるようになるみたいです。

 ちなみに「消しゴムマジック」や「ボケ補正」は、今まさにスマホで撮影した写真に対してだけでなく、Googleフォトにアップしている過去の写真でも利用できます。

 筆者の場合、過去にケータイやスマホで撮影した仕事関係以外の写真は、おおむねGoogleフォトにアップしています。古いものは、おそらくケータイで撮影したものだと思うのですが、2002年からのものがあります。

 またGoogleが提供している「フォトスキャン」という、文字通り写真をスキャンするためのアプリがあるのですが、これを使って取り込んださらに古い写真もGoogleフォトに保存されています。

 先日の休日、少し時間があったので、試しに「Pixel 7 Pro」で今から20年前に撮影した写真に、「消しゴムマジック」や「ボケ補正」などを使って編集を加えてみたら、思いの外ちゃんと使えて驚きました。

20年前の2003年夏に撮影した写真で試してみました。約30万画素(640×480)で撮影したものなので、画質の悪さはいかんともし難いのですが、消したい対象を違和感なく消すことができ、全体にぼんやりしていた写真をパキッと、かつ色鮮やかに加工することができました

 今のスマホの明るい写真に目が慣れてしまっているからかもしれませんが、あらためて振り返ってみると、当時の写真って全体に顔が暗いんですよね。夜はフラッシュライトを点けていないとほとんど何も写ってないし、点けると今度は明るすぎて顔が白飛びしてしまっています。

 見ているうちにあの写真もこの写真もと、手を加えたくなってきて困りました。白飛びした残念な写真を見ながら、そういえば最近のスマホでは、暗いシーンでもかなり明るく撮れるようになったおかげで、フラッシュライトを使うことが少なくなったなぁと、あらためて思ったりもしました。

 もしMagic Editorで、古い写真の背景も自由に足したり引いたり、あるいは全然違うものに加工できるようになったら、ダメダメな写真を鮮やかに甦らせることができるかも。そんな風に期待が膨らむ一方で、でももしそうなったら何年後かに振り返ったときに、何が本当にあったことなのか、わからなくなってしまうかもしれないなと思ったりもします。

 今から撮る写真はともかく、思い出は加工せずにそのままにしておいた方がいいのかもしれません。