本日の一品

急速充電もPDもないけど、パッと見で格好良いクリアなAC充電器

27×48×41mm、重さ43gとコンパクトで綺麗なクリアAC充電器

 昨今、AC充電器の世界は「Quick Charge」や「Power IQ」「USB PD」などなど聞いているだけで頭が痛くなるような、急チャー(急速チャージ、急速充電)方式のオンパレードだ。

 マニアックな人々の間ではそのスピード比較やメリット・デメリットのうんちくは大事な要素だが、ただ寝ている間にスマホを充電したいだけの人にはそれほど重要なお話でもなさそうだ。比較的新しいAndroidスマホを愛用しているマニアとは程遠い、娘に筆者愛用のPD対応の充電器やその性能・効果の話をしても全く興味なさそうだった。

 そんな娘に、ミーハーな筆者が見せびらかすだけのために買ったインプリンクのクリアとブルーの2台のUSB AC充電器を見せたら極めて好反応。別に普段からクリアな商品に特別惹かれている訳ではなさそうだが、なにやらメチャ格好良いらしい。

筆者はブルーとクリアを手に入れたがレッド、パープルモデルもある

 今回、筆者が手に入れたのはクリアとブルーの2種類。物理的なサイズは27×48×41mm、重さ43gとなかなかコンパクトだ。クレジットカードより遥かに小さく男性の手のひらならほぼ全体が隠れてしまう。

クレジットカードより遥かに小さく手のひらに収まってしまう

 昨今のUSB AC充電器には、Type-Cのポートが1個や2個あるのを見慣れているが、クリアAC充電器はUSB Type-Aポートが2個だけの超レガシーモデル。Type-Cポートを搭載する、最近のAndroidスマホに充電するなら我が家では断捨離で辛うじて残ったType-A to Type-Cケーブルが必須だ。

 ブルーモデルよりシンプルなクリアモデルの方が、内部の基盤に載せられているトランスや電解コンデンサー、トランジスタやダイオードなどがくっきりと見えてなかなか楽しい。基盤の裏側にはコンポーネントはほとんど何もない。ただ筆記体で白く「Melia」と書かれている。どうもAC充電器のブランド名のようだ。

ちょっとレガシーな感じのType-Aポートが2個。折り畳み式のプラグ。AC100V-240V 50/60Hz対応でDC5V/2.4Aと極めて標準的

 コンセントのプラグはリトラクタブルな“スイングプラグ”タイプで、90度折り曲げることで内部に収納でき、極めてコンパクトに安全に持ち運べる。クリアAC充電器は、2台のスマホなどのデバイスを同時充電可能だ。AC100V-240V 50/60Hz対応でDC5V/2.4Aの出力だ。

 また、クリアAC充電器に接続されたスマホなどの機器を自動検知し、各機器に最適な電流で充電を行う“Smart IC”という機能により、どちらのポートからでも最適な電流値で充電が可能だという。しかし前述したようにトータル最大2.4Aなので筆者なら基本的にはスマホ1台への充電がベストだと考えてしまう。

 実際に筆者の「OPPO Reno5 A」だけを充電してみたところ当然、急チャーは無理だが5V1.8Aで充電できた。しかしその後もう一方のポートで「BALMUDA Phone」を並行して充電開始した途端に1.2Aに低下した。2台同時充電しているので最大2.4Aであることを前提に考えるなら極めて当然の結果だ。

OPPO Reno5 Aを充電してみた。単体なら5V 1.8Aで充電。途中でもう一方のポートでBALMUDA Phoneを充電して見たらOPPO Reno5 Aは1.2Aに下がってしまった。しばらくしてBALMUDA Phoneの充電ケーブルを抜いて中断したがOPPO Reno5 Aは1.8Aには戻らず最後まで1.2Aのままだった

 おそらく2.4Aの出力がOPPO Reno5 AとBALMUDA Phoneの各々に1.2Aを供給しているからかもしれない。いずれもケーブルはPD 100W対応のケーブルを使用している。そして途中でBALMUDA Phoneの充電を取りやめてケーブルを引き抜いてもOPPO Reno5 Aへの充電出力は満充電までもう一度1.8Aにアップすることなく最後まで1.2Aのままだった。

 最大2.4AのクリアAC充電器では、最初から2台のスマホなどのデバイスに充電を行った場合と1台のスマホで先行して充電中に途中からもう1台の充電を開始した場合で立ち居振る舞いが異なるようだ。

 先行して充電を開始したOPPO Reno5 Aの取り分の1.8Aは、途中から追加で充電を始めたBALMUDA Phoneに取られた場合、途中でBALMUDA Phoneの充電を中断しても取り返せないようだ。今のところ筆者は、取説で紹介されている“Smart IC対応のケーブル”という商品を見たことがないが、該当商品を利用すれば解決するのかもしれない。できれば素晴らしい。

 最後に、このクリアAC充電器を使用して筆者のメインスマホである「Galaxy Z Fold 4」単体に充電して“シンプル・バッテリー・グラフ”アプリで充電時間を計測してみたのでご紹介する。充電開始時のバッテリー残量は10%。そして100%満充電までに必要だった時間はちょうど2時間、10%→60%(50%充電)なら約1時間が必要だが極めて良好だ。

筆者のメインスマホのGalaxy Z Fold 4は10%→100%充電までちょうど2時間だった。50%充電するのに要する時間は1時間と平均的だ

 細かなことを言っても、普通のスマホユーザーには不必要なことだろうし、クリアAC充電器は見た目がCOOLだけで良いじゃないか……というのには筆者も同感だ。急チャーじゃなくても、PDじゃなくても、GaNじゃなくても、世界でもSHARGEのモバイルバッテリー「STORM2」以外にあまり例のない、クリアな充電グッズには娘も欲しがるスペック以上何かがありそうだ。

外装がクリアなUSB充電器/モバイルバッテリーは意外に少なく貴重だ。この際手に入れるのも悪くない

 しょせんAC充電器、一般的に2.4Aあれば普通のスマホなら一晩充電したまま放っておけば間違いなく、目が覚めるころには100%まで充電は終わっているだろう。基本的にスマホのAC充電器は2.4A程度の出力があって、スマホもタブレットも朝までに充電できていればそれで良いのかもしれないと思うようになってきた。

 来週、娘が来た時には “しょせんAC充電器……”と言うことで恩着せがましくクリアAC充電器をあげて“されどAC充電器”のお話は省略することとしよう。

製品名発売元実売価格
クリアAC充電器 クリア(IMAC2UA24CL)インプリンク1740円
クリアAC充電器 ブルー(IMAC2UA24CLBL)