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【使いこなし編】第169回

チューナーレステレビにスマホからミラーリングする〜その1:HDMIケーブルを使う方法

「Happy Halloween!!」TCLのチューナーレステレビ「50P63J」にスマホからケーブル接続でミラーリングを試してみよう

 TCLのチューナーレステレビ「50P63J」で、スマホの画面をそのままテレビに表示するミラーリングを実践していこう。前回は、動画配信サービスアプリなどから「キャスト」機能を使って、テレビの画面に動画などを表示させた。アプリから動画を表示させるだけなら、このキャストが最も手軽だが、スマホ画面をまるごと表示させたい場合には、ミラーリングが役に立つ。このミラーリングを数回に分けて実践してみる。

 ミラーリングとは、スマホの画面をそのままテレビに映す(画面を複製する)ことだ。方法はいくつかあるが、今回まず実践してみるのは、テレビの外部HDMI入力を活用する方法だ。ほかに、Wi-Fi接続を使ったミラーリングがあり、iPhoneとAndroidで手法が異なるので、次回以降、これらも実践してみよう。

HDMIによるミラーリングは遅延がないことが特徴

 テレビの外部HDMI入力に変換アダプターを介して接続する方法は、ほかの方法と比べて遅延がないことが特徴で、ゲームを大画面で楽しみたい、というような用途に向く。また、自宅の外のWi-Fiが使えない場所で、外部HDMI入力のあるテレビを使ったプレゼンテーションを行うケースなどにも便利で、ケーブル接続なので安定して接続できることもメリットだ。

 デメリットとしては、ケーブル接続の面倒さや、物理的にスマホを持って移動できる範囲が制限されることなどがある。自宅のWi-Fiに接続していて、単に動画を再生したいだけなら、前回実践したキャストの方が、ケーブルも不要で手軽だ。

 今回の手順ではiPhoneを使っているが、AndroidでもUSB Type-C - HDMI変換アダプターを用意すれば、同様のことができる。iPhoneでは端子に応じて、Apple純正品なら「Lightning - Digital AVアダプター」か「USB-C Digital AV Multiportアダプター」を用意する。サードパーティー製でも同様のアダプターもあるので、好みで選択するといいだろう。

 ほかにも、Lightning - HDMIや、USB Type-C - HDMIという単一の変換ケーブルもある。USB Type-C - HDMIケーブルはPCでも使えるので、ひとつ持っておくと便利だ。

かなり使い込んで年期が入っているがApple純正の「Lightning - Digital AVアダプター」
HDMI出力がある。もう1つは充電用のLightningポート

ケーブルを接続し、テレビ側の入力を切り替える

 HDMIケーブルをスマホとテレビにつないだら、テレビの入力をHDMIに切り替える。これで、スマホのホーム画面が縦型に表示されるはずだ。縦画面のままでは見づらいので、スマホ側で画面縦向きのロックを解除して、横画面表示で使うといいだろう。

このように標準のHDMIケーブルを接続する。先はもちろんテレビの外部HDMI入力に繋ぐ
初回接続時は許可をする。アダプターを接続すると接続インジケーターが表示される
リモコンの外部入力切替ボタンを押して、HDMIケーブルを接続した外部HDMI入力に切り替える
テレビと接続してミラーリングすると、こんな案配になる
変な画面だが、縦のスマホ画面がテレビ表示されているところ
右上端から下にスワイプで、コントロールセンターを表示させる。画面縦向きのロックを解除して使う。画面のミラーリングが強制的にオンになっているのが確認できる(わかりやすいよう画面は拡大している)
横画面にして、Amazonフォトアプリを表示させたところ。横画面ならテレビの横長の画面を有効に使える

 動画配信サービスのアプリからは、ミラーリングにも対応されていればコンテンツの表示は可能だ。NetflixとAmazonプライムビデオで試してみたが、問題なく表示された。ミラーリング時にはスマホとテレビで同時に再生されるのではなく、スマホ側にはテレビで再生中であることが表示され、再生コントロールが表示される。基本的にキャストと同じ状態といえる。

Netflixでのミラーリング時のスマホ画面。もちろんテレビではコンテンツが再生されている
同じくAmazonプライムビデオでのミラーリング。どちらも再生コントロールが表示される
ケーブル接続のミラーリングはゲームに最適。音ゲーなどアクション系のゲームでも、遅延はないのでプレイに支障は無い。音はテレビから出力される。画面は、ゲーム「プロジェクトセカイ カラフルステージ! feat. 初音ミク」のもの

ゲームのプレイも可能! 非対応のアプリもあることには注意

 今回は、iPhoneを使って、変換アダプターで外部HDMI入力にケーブル接続してミラーリングを試してみた。

 Wi-Fi接続がなくても使えることと、キャスト対応アプリでなくても表示できること、表示の遅延がないことがケーブル接続でのミラーリングが便利なところだ。ただし、ミラーリングが可能かどうかはアプリによるので、その点は注意が必要だ。

 ミラーリングは、特にゲームには最適で、遅延なく大画面でプレイできるようになる。タッチ操作のゲームを大画面でやるのは、ちょっとコツがいるが、コントローラを接続することもできるので、うまく楽しんでみて欲しい。

 ゲームコントローラーをスマホに接続する実践は、第83回にPS5とスマホで連載で実践しているが、Bluetoothのコントローラーなら登録可能だ。最近のスマホは、へたなゲーム機並みの速度がある。テレビにつないで大画面でゲームを楽しむなら、このケーブル接続のミラーリングがおすすめだ。

 動画コンテンツや写真を見るだけならキャストで、ゲームや出先でのプレゼンはケーブル接続によるミラーリングを使うと幸せになれると覚えておくといいと思う。次回からは、Wi-Fiが使える場所でケーブルレスのミラーリングを実践していく。こちらは表示の遅延があるので、リアルタイム性が高いゲームには向かないが、ケーブル接続をしなくても簡単にミラーリングができる。

今回の教訓(ポイント)

テレビにケーブルとアダプターで接続してスマホの画面をミラーリングできる
Wi-Fiが使えない場所、アクションゲームなどで便利な接続

村上 俊一

1965年生まれ。明治大学文学部卒。カメラマン、アメリカ放浪生活、コンピューター雑誌編集者を経て、1995年からIT系フリーライターとして活動。写真編集、音楽制作、DTP、インターネット&ネットワーク活用、無線LAN、スマホ、デジタルガジェット系など、デジタル関連の書籍や雑誌、ウェブ媒体などに多数執筆。楽曲制作、旅行、建築鑑賞、無線、バイク、オープンカー好き。